“日本、ドイツなどの敵国が不穏な動きを見せたと判断した場合、加盟国は国連の承認を受けずに、いつでも自由に軍事攻撃を加えてもよい”(出典:国連憲章第107条および53条を要約。別名「敵国条項」)
これは、戦後長きにわたって、私たち日本人が「平和の象徴」と教わってきた組織「国連」に今も残る、恐ろしい条項です。
敵国に指定されている日本とドイツは、この条項をどうにか排除しようと働きかけてきましたが、今現在もこの条項は国連憲章の中に残ったまま...80年以上も生き続けています。
いったいなぜ平和の象徴であるはずの国連に、このような条項が残っているのでしょうか? 国連といえば、教科書に書かれているように、第二次世界大戦への反省から創られた「世界の平和・安全を維持する機関」 ではないのでしょうか?
この条項が残っている理由...
それは、国連(the United Nations)という組織の成り立ちにあります。国連が創られたのは戦争終結後の1945年10月ですが、その前からアメリカ、イギリス、ソ連などの連合国によって構想は練られていました。そして、その当時の国連への加盟条件は、「1945年3月1日までに日独に対して宣戦布告をしている国であること」だったのです。
この時に盛り込まれた憲章が、80年以上経った今もなお生き続けているというわけです。
(1995年の国連総会で旧敵国条項を国連憲章から削除する決議案が採択されたが、まだ実際に削除はなされていない)
日本人が国連に抱いている「平和の象徴である」という幻想、その実体を暴くこの本には、このようなことが書かれています。